「陽気なJAZZを聴きながら」
 京阪出町柳駅で鴨川を背にすると、「LUSH LIFE」の看板が目にとまる。カウンター10席だけの店内には、ジャズが流れている。
 壁にはレコードが並べられており、1000枚ほどあるという。店長の茶木哲也さん(65)は、19歳から46年間ジャズ喫茶店一筋の人だ。出町柳のLUSH LIFEは、1988年に奥さんと一緒に開いた。
 茶木さんは、「曲名なんて知らへん。内容が良ければ」と店内に流れているジャズを口ずさみながら、ゆっくりとドリップにお湯を注ぐ。その姿はまるで、隠し味に音符を入れているよう。コーヒー(400円)が入ると、カウンター席に座っていたジャズプレイヤーで黒縁めがねの男性は、音に耳を傾けながら飲んでいる。
 今まで、ジャズというと陽の当らない地下の部屋などで聞いて、ボンボンと鳴り響く暗いイメージを持っていた。でもこの店で聞くジャズは陽気だ。マッキントッシュの真空管アンプ、樹木に書かれたメニュー、カウンターに出没する招き猫、窓から注がれる優しげな日射し、べっぴんさんな奥さんの笑顔……。そんな演出が重なって、思わず音と一緒にリズムをとってしまう。
 11年前からアメリカのジャズ・ピアニストのランディ・ウェストン(86)を招いて、上賀茂神社でのライブを行っている。今年は4回目むかえ、10月13、14日午後6時から開かれる。
075-781-0199
京都市左京区田中下柳町20
12:00p.m.~12:00a.m
.土曜日のみ10:00p.m.まで、
火曜日定休日
http://www.lushlife.jp/